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2020年4月~最新分

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  (194) 「鬼滅」とは逆方向に「全集中」
「多摩の年輪」367号(2020年11月)

  「自助」の強調、コロナ対策より経済対策、「敵基地攻撃能力」保持や改憲案の検討開始、辺野古新基地建設ごり押し、日本学術会議への人事介入など、アベ政権を凌ぐ極悪・非道の動きを見せていた菅義偉政権は10月26日から始まった臨時国会でその姿を国民の前に現した。11月2日の衆院予算委員会の開幕早々に首相は大ヒット中の劇場版アニメ「鬼滅の刃」の決めゼリフに便乗して「『全集中の呼吸』で答弁させていただく」と受けを狙い、議場を一瞬シーンとさせたが、この「全集中」が「鬼滅」とは逆方向を向いていることがやがて明らかになった。衆参の予算委員会は11月6日、計4日間の日程を終えたのだが、野党が菅義偉首相との初の本格的な国会論戦に「日本学術会議」の任命拒否問題を主要テーマに据えて挑んだのに対し、首相は質問が核心に迫ると「人事に関することなのでお答えは差し控える」を連発。後ろに控えた官僚が手渡す答弁メモを繰り返し読み上げるだけの答弁は白々しく矛盾だらけで「支離滅裂」。首相の「受け狙い」に応えて「官僚の答弁ばっかり読まずに、全集中の呼吸で答えてくださいね」と訴えて質問に立った立憲民主の辻元清美副代表に対しても同様の態度の繰り返し。辻元氏は「鬼滅の刃」の黒幕の「全ての決定権は私にあり、私の言うことは絶対である」というセリフを持ち出し「こうならないようにくれぐれもご注意いただきたい」と皮肉を込めて質問を終えた。野党の質問責めにしばしば「答弁不能」「茫然自失」に追い込まれた首相の姿は閣僚席にまで苦笑いを拡げた。この窮状を救おうと自民党の伊吹文明元衆院議長が「『学問の自由』と言えば水戸黄門の印籠の下にひれ伏さなくてはいけないのか」(5日、派閥の会合で)と「学問の自由」攻撃を仕掛けたが、この発言そのものが菅首相を「印籠を突き付けられた悪代官」と認めていて面白い。今月はここを描いてみた。

(193) 仕事師のおじさん早くも馬脚見せ
「多摩の年輪」366号(2020年10月)

    9月16日に菅義偉(よしひで)新政権が発足した。「農家出身」「工場勤務からアルバイト学生を経て政治の道へ」「たたき上げの仕事師」などの菅キャラクターの売り込みが効を奏したのだろう、安倍政権が30%まで引き下げた内閣支持率を一瞬75%(読売)まで上昇させた。しかし菅氏は、モリ・カケ・桜・河合夫妻疑惑を安倍首相と一緒にごまかし、改憲・軍拡・社会保障破壊の暴走政治を先頭に立って進めてきた人物。いわば破綻したアベ政治の共犯者(実は主犯だとみることもできる)0が、その破綻を棚上げして、破綻したアベノミクスの全面的な継承・発展を宣言しているのだから、菅政権は、いわばアベ隠し・アベ共犯の政権に過ぎない。「国民のために働く政権」と大宣伝しているが、政権が国民のために働くのは憲法に定められている当たり前のことに過ぎない。首相になる前日に、自分が首相になったら「政府の方針に反対する官僚は異動してもらう」とテレビで官僚を恫喝した菅氏の政権が、いつまでも国民をだませるわけはないと思っていたが、何と国会もまだ開かず、施政方針演説も行なっていない内に、「自助」の強調と「GoToトラベル」の推進によるコロナ対策から撤退、「敵基地攻撃能力」の保持や改憲案の検討開始、沖縄辺野古の新基地建設のごり押し、日本学術会議への人事介入・言論抑圧など、アベ政権を凌ぐ極悪・非道の馬脚を見せ、内閣支持率も下落を始めた。今月はそこに目を付けて描いてみた。
 

  (192) 効くのかね?スカの心臓(晋三)マッサージ
「多摩の年輪」365号(2020年09月)

 コロナ禍に国民が重大な不安と困難に遭遇しているのに、通常国会閉会後2か月にわたって国民の前から姿を隠していた安倍首相が、8月28日、突然姿を現して「病気のため辞任」を宣言。アベノマスクと小中高校の臨時休校、補償抜きの自粛要請以外にはこれといったコロナ対策もなく、大軍拡のために憲法と社会保障を破壊し、2度にわたる消費税増税で日本経済を足元から停滞さた安倍首相は、7年8か月の長期記録を果たしたとたんに政権を投げ出したのだ。「いのちと経済」を天秤にかける新自由主義的な「GoToトラベル」で、コロナ危機をいっそう深刻化させている与党は、マスコミを巻き込んで「ポスト安倍」のお祭り騒ぎに興じている。派閥の力学で後継者は決めているのに総裁選を演じて、安倍政治が数知れぬ問題点を抱えて破綻したことを棚に上げるというゴマカシの祭りだ。ゴマカシに乗じて辞任した本人が次の政権に向かって「敵基地攻撃能力の保有、軍拡・改憲」を指示する「談話」まで出している。破綻し、本人さえやる気をなくした「アベノミクス」を「心臓(晋三)マッサージ」で蘇生させても、破綻したものは所詮破綻したものでしかない。何ができるというのだろうか?

(191) 改憲の執念だけで何処へ行く?
「多摩の年輪」364号(2020年08月)

   安倍首相が新型コロナウイルスの感染対策としてバラまいたのが「アベノマスク」。韓国が国防費を削ってコロナ対策に充てたのに比べ、あまりにもマト外れで貧弱で、安倍首相自身さえ8月にはそれを捨ててしまったほど不評だった。改憲・大軍拡のための福祉破壊というアベ・新自由主義政治が、コロナに対していかに無力であるか、防疫・防災には日ごろからの備えがいかに大切であるかが誰の目にも明らかになっている。相次ぐ豪雨災害での被災者の救援と復旧、猛暑とコロナ感染の再拡大への対策などが緊急の課題となっている。だから河野太郎防衛大臣の秋田・山口両県への弾道ミサイル迎撃システム「イージス・アショア」の配備断念には、軍事費を削ってコロナ対策に回す政策転換を期待したが、それは小野寺五典元防衛相らが8月に安倍晋三首相と菅義偉官房長官に「敵基地攻撃能力」の保有を提言するための「引き金」でしかなかった。安倍首相は、マスクのバラマキで「コロナ対策」を終えたことにして、国会の閉会中審査にも出席せず、正式な記者会見も開かず、国会と国民への説明責任を逃げ回りながら、改憲の意思を執拗に発信し、観光需要喚起策「GoToトラベル」の推進、核兵器禁止条約の批准拒否、「敵基地攻撃能力」の保有計画など、まさしく不要不急の改憲・大軍拡と福祉蹂躙に立ち戻ろうとしている。これらは結局、コロナ軍団に味方することになっているのではないか。
 

  (190) このふたり所詮は令和枯れすすき
「多摩の年輪」363号(2020年07月)

 アベノマスクの配布にいち早く踏み切った安倍首相、レインボーブリッジを赤く染めて「東京アラート」を強調した小池都知事、いずれも国民と都民に新型コロナ感染対策を「やっている」という感じを与えてお茶を濁そうとしたが、そんなことで国民・都民のいのちの危険はとうてい収まらなかった。吹き上がる要求に恐怖を覚えた安倍首相は国会の会期を、小池都知事は都知事選を、それぞれ口実にして、感染対策を投げ出した。この「やっている」感は国民・都民をあざむく効果を発揮し、地に落ちていた安倍内閣支持率を少しだけ回復させ、都知事選では366万人の都民が小池都知事に続投を許したが、アベノミクス、ユリノミクスが推進してきたウソと誤魔化し、市場原理と原発・軍拡神話を最優先して憲法蹂躙、医療・介護・ケア部門を含む社会のあらゆる分野で暮らしと福祉を踏みにじってきた新自由主義は、完全に破綻したことがコロナ禍で誰の目にも明らかになっている。国民・都民はやがて本当のことを理解する。それを知っている2人は「令和枯れすすき」をうたう他あるまい。

(189) コロナ期をどう生きるのか君たちは
「多摩の年輪」362号(2020年06月)

  検察官の定年延長に特例を設ける検察庁法改正案は、野党やネット世論の猛批判、元検事総長ら検察OBの意見書などに包まれて、この国会で成立断念に追い込まれた。検察OBの意見書は安倍首相の姿勢を「17世紀フランスのルイ14世が語ったとされる『朕は国家である』を彷彿とさせる」と指摘して痛烈な警鐘を鳴らした。今月は、ルイ14世よりも俗物的に「朕は国庫なり」とモリ・カケ・桜の疑惑を交わし続ける権力者と、これを取り巻いて破綻に直面している人びとに、いのちと暮らしを本当に大切にしなければならないコロナ期をどう生きるつもりかい、と問いかけることにした。
 

  (188) 自粛して「うちで踊ろう」今月も
「多摩の年輪」361号(2020年05月)

  深刻化するコロナ危機に対応できない新自由主義・アベノミクスの無力さが誰の目にも見えてきました。食料・エネルギー、医療・介護・社会保障の自給力と供給体制を、市場原理によって破壊し続けてきたことの結果です。安全・安心・防災対策や地球温暖化対策を棚上げし、経済成長と企業利益拡大を偏重してきた政治・経済の結果ともいえます。いま私たちは、コロナ危機から命と暮らしをまもるために、これらの結果を直視し、医療供給体制の抜本的強化、私たち自身の暮らしと労働、政治・経済・社会活動のあり方の洗い直しを迫られています。小中高校の臨時休校、不要不急の外出・事業の自粛など、感染防止に必要なことに暮らし・労働・経済・社会の総力を傾けてとりくまなければなりません。 安倍首相はコロナ対策として、国民に「自粛」を求めて「緊急事態宣言」を発令。「自粛」に耐えて生きようとネットでのコラボをよびかけたミュージシャン、星野源の「うちで踊ろう」に便乗して「外出自粛」を訴え「35万の『いいね!』をいただいた」とご満悦(菅義偉官房長官談)ですが、先の「一家にマスク2枚」と並んで大ひんしゅくを浴びています。そもそも安倍首相は、「自粛」を「補償」するなどとんでもない、憲法に「緊急事態条項」を設けて「強制」すれば良いと考えているわけで、この立場を「自粛」する気など毛頭持っていません。しかし、すでに無力と破綻が証明されている安倍政治の延命と不要不急の軍拡・憲法改悪を、コロナ危機に便乗して「火事場泥棒」のように押し通そうとしても、それは元来通用するものではないでしょう。

(187) 盗品は不要不急なモノばかり
「多摩の年輪」360号(2020年04月)

 安倍首相は4月7日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、改正新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく初の「緊急事態宣言」を発令した。必要と判断すれば、住民への不要不急の外出の自粛要請や、施設の使用停止、イベントの開催制限の要請・指示などの措置をとることができるという宣言であり、それは住民に納得づくで行なわれる限りでは必要なものにちがいない。ところが、驚いたことに「宣言」を発令したその日の内に政府は、それが国民への強制力を持たない「限界」を不満として、衆院議院運営委員会で、憲法を改正して「緊急事態条項」を創設する構想を示した。国民には外出や営業・イベントの「自粛」を求めるが、それがもたらす損失への「補償」は拒否し続けている。「108兆円の緊急経済対策」を大宣伝するが、それは従来型の暮らしと社会保障破壊の経済政策を推進するものであって、個人や中小業者への給付金は6兆円、医療供給体制の整備には8千億円だけ。消費税の連続増税、暮らしと医療・社会保障の連続破壊で、大企業の利益の確保、大軍拡への武器バク買いを強行してきた従来型のアベノミクス・経済政策が、近年激発する自然災害やいまが盛りのコロナ禍に対してまったく無力であり、ことごとく「不要不急」のものであることが明らかになっている。安倍政権は、緊急事態を国難として喧伝し、これを打開するためには政府権限の絶対化と「憲法改悪」が必要と言うのだが、これは「不要不急」が証明された諸政策を、もりかけ・桜・カジノ疑惑ぐるみで、一気にごまかそうという、いわば「火事場泥棒」の論理。笑い飛ばす程度では済まされない。